Osaka University of Tourism’s
Web magazine”passport”
「passport(パスポート)」は、観光や外国語、国際ニュースなどをテーマに、
大阪観光大学がお届けするWEBマガジンです。
記事を書いているのは大阪観光大学の現役の教授や学生たち。
大学の情報はもちろん、観光業界や外国語に興味のある方にも楽しんでいただける記事を定期的に公開していきます。
英語を好きになって楽しもう!
英語というと、すぐに入試や就職ということが言われます。そして半ば強制的に学ぶ形になります。でも、私たちはコンピュータではありませんので、「入試や就職に必要」とインプットされて、「了解。作業を始めます」などとはなかなかいきません。
そこで、少し視点を変えてみましょう。私はこれまで数千人の生徒?学生に英語を教えてきましたが、その中で突出して素晴らしい英文を書く人がいました。正直のところ、日本人の書く英語というのは、たとえトップレベルの俊英でも、かろうじて通じる程度のものがほとんどですので、私は大いに驚きました。でも、尋ねてみると彼には海外留学経験がありません。
では、いったい彼は、どのようにして英語を学んだのでしょうかーーーその答えは、彼が「洋楽ファン」だったということでした。洋楽が好きで好きでたまらない。だから、歌詞カードの和訳だけでは飽き足らない、どうしても元の英文の持つ意味、ニュアンスを理解したい、そう思って辞書やら何やらを使って懸命に調べたそうです。
これは一例に過ぎませんが、たとえば、映画やドラマやアニメなど、もしあなたに何か一つでも大好きなものがあれば、まずはそこから英語に触れていくことをお勧めします。本学でも、映画や洋楽を使った授業を積極的に行っています。
あと一つアドバイスがあるとすると、それは文法についてです。5文型の分類、現在分詞の後置修飾、態の変換、独立分詞構文などなど、日本の英語教育はいまだに「文法用語漬け」の状態で、これが理由で英語が苦手になったり、嫌いになったりする人が後を絶ちません。
でも、文法は「形と意味」に注目するようにすると、そのほとんどが簡単に理解できます。たとえば、makeに「①作る②する」という意味があると考えると、The news made me happy.を「そのニュースはした」→だれを?→「私を」→どう?→「ハッピーな気分に」となって、意味をクリアーに理解できます。しかも、「英語の語順」で。
文法解説をゼロにすることはできません。でも、従来の10%ぐらいまでには減らすことができます。じつは、これが過去30年間の私の研究テーマでした。あなたは、私がなぜそんな研究を始めたと思いますかーーー答えは、私自身が高校時代に英文法で散々な目にあったからです。
文法がやさしくなると、英語はまったく違って見えるようになります。この点にかんして、「日経ビジネスオンライン」というサイトでコラムを書いていますので、ご興味のある方は一度のぞいてみて下さい。検索ワードは私の名前(池田和弘)です。
大阪観光大学
188体育学部 池田 和弘