Osaka University of Tourism’s
Web magazine”passport”
「passport(パスポート)」は、観光や外国語、国際ニュースなどをテーマに、
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大学の情報はもちろん、観光業界や外国語に興味のある方にも楽しんでいただける記事を定期的に公開していきます。
国際線の客室への液体物持込制限
国際線の機内に液体物を持ち込めないのをご存知だろうか?ツアーで海外旅行する場合は旅行代理店から注意書きが送られてくるが、個人旅行では空港の保安検査場で気付いて、泣く泣く廃棄となりかねない。
知らない人が多いのもムリはない。今から約10年前の2007年3月1日から適用になった。その前年に明らかになった英国での航空機爆破テロ未遂事件で液体性爆発物を使用する計画だったことがきっかけだ。これまでの保安検査では見つけられない爆発物が誕生したわけで、それをどう見つけ出すか?検討の結果、一つひとつ検査している時間と手間を省くため、液体物すべてを禁止するという措置が世界的に取られた。
すべての液体物といっても、医薬品やベビーミルク?ベビーフードなど、適用除外品はもちろんある。また機内で使用する化粧品などは100ml以下の容器に入れ、検査員に提示することにより、持込を許可される。
おもしろいのは、何が「液体物」か?酒やジュースが液体なのは当然だが、ヨーグルトもダメ、ゼリーもダメ。味噌、漬物もダメで、ちゃんと瓶詰、缶詰になっていても許可されない。笑ってしまうのは、アイスクリーム。それもダメなのだ。確かに溶けると液体になってしまう。食品以外でも、シャンプー、液体ソープはもちろん、歯磨き粉、ヘアクリームなど対象品はたくさんある。分かりやすく示すために、成田空港や関西空港の出発口には下の写真のような、自動販売機と見まがう説明のボックスが設置されている。
もっと詳しく知りたい方は、以下の国土交通省のホームページをどうぞ。
http://www.mlit.go.jp/koku/15_bf_000006.html
各空港、航空会社のホームページでも分かりやすく説明している。
ただし、厳密に言うと「客室への液体物持込制限」という表現は正しくない。保安検査後に免税店などで買った酒やミネラルウォーターは機内に持ち込めるからだ。安全性が確保されているという理由だ。ということは、「客室への持込制限」ではなく、「保安検査の通過制限」でしかない。機内で必要な液体物は出発ゲート近くの店で買って持ち込むのが飛行機の賢い乗り方だろう。